第8話:不安があっても眠れる日が増えたこと
前回のおさらい
前回(第7話)では、「自分を否定しない日が増えたこと」について綴りました。
何もできない自分も受け入れて、少しずつ肩の力を抜くことができるようになったこと。
それは、私にとって小さな、でも確かな回復の兆しでした。
今回は、さらに一歩進んで──
**「不安があっても眠れる日が増えたこと」**について、
私自身のリアルな体験をもとにお話しします。
夜が来るのが怖かった
うつ状態が深刻だった頃、
夜が近づいてくると、決まって心がざわざわし始めました。
昼間は、まだどうにか気を紛らわせることができました。
テレビをつけたり、無理にスマホを眺めたり、
ただぼーっとして時間をやり過ごすこともできた。
でも、日が暮れると、
どこからともなく、圧倒的な孤独感が押し寄せてきたのです。
「今日も何もできなかった」
「こんな自分がこの先、生きていけるんだろうか」
「また眠れない夜が来る」
布団に入っても、全然落ち着かない。
目を閉じても、次々とネガティブな思考が浮かんできて、
気づけば心臓がドクドクと早鐘を打ち、
汗ばむ手のひらをギュッと握りしめていました。
時計を見るたびに、「また眠れない」と焦りが増す。
そんな夜を、何度も何度も経験しました。
「眠らなきゃ」と思うほど眠れなくなる地獄
「早く寝なきゃ」
「明日のためにちゃんと寝ないと」
そう思えば思うほど、逆に目が冴えていく。
脳だけがぐるぐると回り続け、
身体は疲れているのに、意識だけがいやに覚醒してしまう。
当時の私は、
眠れない自分を責めることで、さらに眠れなくなるという、最悪のスパイラルに陥っていました。
そして、そんな自分をまた責めてしまう──
「なんで普通のことができないんだろう」
「どうして眠ることすらできないんだろう」
まるで出口のない迷路を、
夜ごとさまよっているような感覚でした。
小さな工夫、小さな変化
そんな毎日を少しでも変えたくて、
私は「大きな変化」を求めるのをやめ、
小さな工夫を一つずつ試してみることにしました。
たとえば──
- 夜9時以降はスマホを見ない(不安情報を遮断する)
- 白湯を飲んで身体をあたためる
- リラックスできる音楽や自然音を小さく流す
- 「眠る」のではなく「休む」を目標にする
- サプリを飲んでみる
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これらを一度に完璧にやるのではなく、
「今日はこれだけやってみよう」と、
自分に優しく、小さなハードルを作っていきました。
最初のうちは、ほとんど変化は感じられませんでした。
眠れない日も、やっぱりたくさんありました。
でも、続けているうちに、
ふと「昨日より少し楽だったかも」と思える夜が増えていったのです。
眠れる日が「ゼロ」じゃなくなったことの大きさ
初めて、数時間まとまって眠れた夜。
目が覚めたとき、まだ暗い部屋の中で、私は静かに涙を流しました。
それはうれしさというより、
**「まだ自分は生きてるんだ」**という、
静かな実感でした。
眠れたことで、少しだけ体に力が戻る。
少しだけ心に余裕ができる。
- 朝の空気が、少しだけ心地よく感じられる
- ご飯を食べる気力が、ほんの少しだけ湧いてくる
- 今日は短い散歩なら行けそうかな、と思える
そんな、ほんのわずかな「生きる力」が、
眠れるようになったことで、戻ってきたのです。
不安があっても、大丈夫になった
今でも、完璧にぐっすり眠れるわけではありません。
夜に不安になる日も、もちろんあります。
でも、今は焦らない。
「眠れなかったらどうしよう」と恐れない。
「目を閉じて休んでいるだけでも、体はちゃんと回復している」
「大丈夫。明日、また新しい一日が始まる」
そう自分に言い聞かせることで、
たとえ不安があっても、眠りを受け入れられるようになりました。
不安を完全に消すことはできない。
でも、不安を抱えたままでも、
前に進める方法を、自分なりに見つけることはできる。
今の私は、そう信じています。
次回予告
第9話:「休んでもいいと思えたこと」
ずっと走り続けなければならないと思っていた。
でも、「立ち止まることも、生きるために必要なこと」だと気づいた瞬間がありました。
次回は、休むことへの罪悪感と向き合った日々について綴ります。